仕事や子育てに忙しい20代・30代は貯蓄をしっかりしながら、万一のときに備えて保険も検討したい年代です。しかし、保険は種類が多くてどんな保険に入ればいいのか分からないという方も多いのではないでしょうか。今回は、働き盛りの世代が最低限入っておきたい保険の種類を解説します。
目次
本当に必要な保険とは?
入っておくべき保険について検討する前に、なぜ保険に入る必要があるのかを考えてみましょう。
生命保険とは、世帯主に万一のことがあったときに残された遺族の生活費や子どもの教育費をカバーするためのものです。貯蓄で準備できるのなら保険に入る必要はありませんが、若いころは貯蓄額が少ないので保険で備えておくのが得策です。
医療保険は病気やケガの治療費をカバーするための保険です。入院や手術をすると医療費がかさみ、治療が長引けば休職することもあり得えます。公的医療保険や貯蓄だけでは補えない場合があるので、民間の医療保険に加入して備えたいものです。
入っておきたい保険の種類
保険は死亡や病気、収入減少のリスクに備えるためのものです。これらのリスクに対処するために、一般的に入っておきたい保険の種類を見ていきましょう。
■死亡保険
死亡保険とは被保険者が死亡した場合に、死亡保険金が遺族に支払われる保険です。世帯主に万一のことがあったときの遺族の生活費、子どもの教育費用を支えます。
死亡保険には定期保険、終身保険、収入保障保険などがあります。定期保険は掛け捨て型の保険で、一定の契約期間内に死亡した場合に保険金を受け取ることができます。保険料が安いのが特徴で、子どもが小さいときだけ保険に入っておきたいなど一定期間だけ保障がほしい場合におすすめです。
終身保険は保障が一生涯続くタイプの保険です。掛け捨てと違って保障が途中で終了することがないため、貯蓄機能も備えています。
収入保障保険は被保険者が保険契約中に亡くなった場合、満期までの期間、遺族に保険金が支払われる保険です。毎月お給料のように受け取ることができ、一時金で受け取るよりもお金の管理がしやすいというメリットがあります。
■医療保険
病気やケガで入院や手術をした場合に入院給付金や手術給付金を受け取れる保険です。入院給付金は入院日数に応じてもらえる保険が多く、日額5,000円の保険に加入して5日間入院すると25,000円受給できます。手術給付金は実費支払いではなく、手術の内容に応じて入院給付金の10倍・20倍・40倍程度の金額が支払われる保険がほとんどです。
入院すると差額ベッド代や病衣代、食事代など公的医療保険ではカバーできない出費もあるので、貯蓄が十分にないうちは医療保険で備えておきましょう。
医療保険とは別にがん保険もありますが、がん保険はがんにかかった場合にのみ入院給付金や手術給付金が支払われます。支払限度日数が医療保険より長く、がんと診断されたときに支払われる一時金などが付帯された契約がありますが、がん以外の疾病になった場合は保険金が出ません。
一方、医療保険はがんもがん以外の疾病やケガもカバーする保険です。医療保険に入っておけば必要最低限の保障は得られるので、まずは医療保険を検討しましょう。
保険加入の際の注意点
死亡保険と医療保険に加入するときは、次のことに気をつけます。
必要な死亡保険金額はライフスタイルによって違う
死亡保険に加入するときに悩んでしまうのが、死亡保険金額をいくらにすればいいかということです。必要な死亡保険金額は家族構成や職業(会社員か自営業か)、収入によって決まります。
例えば、共働き家庭と片働き家庭では片働き家庭のほうが多くの死亡保険金が必要です。子どもが1人いる家庭と3人いる家庭では、かかる教育費が違うので当然子どもが3人いる家庭のほうが保険金額を高く見積もる必要があります。
必要な死亡保険金額は、保険会社のサイトでシミュレーションできます。加入前に一度試算してみるといいでしょう。
医療保険のオプションはつけすぎない
医療保険は主契約と特約のセットで構成されています。主契約は入院給付金や手術給付金などメインとなる保障で、特約は先進医療特約や女性疾病特約、三大疾病特約などのオプションです。
先進医療特約は、厚生労働省が認める先進医療を受けた場合に保険金が支払われる特約です。先進医療は公的医療保険の対象外で費用は自己負担となります。女性疾病特約は乳がんや子宮がんなど女性特有の疾病になった場合に保険金が上乗せされる特約です。三大疾病特約は、がん、脳卒中、急性心筋梗塞になった場合に手厚い保障を受けられます。これらのオプションは付帯されていれば安心ですが、保険料が高くなってしまうので必要性を感じた場合のみつけましょう。
最後に
20代・30代が最低限入っておきたい保険は、死亡保険と医療保険です。世帯主に万一のことがあったときに遺族の生活をサポートしたり、病気やケガのときにかかる医療費をカバーしたりする目的があります。保険加入の必要性を感じている方は、まずはこの2つの保険を検討しましょう。