新型コロナウイルス感染症の影響により全国の薬局・ドラッグストア、コンビニで品薄となってしまったマスク。花粉症の季節になり、マスクが買えなくて困っている人は多いはず。そんななかフリマアプリのメルカリで検索してみると、なんとマスクがたくさん出品されています。しかし、価格を見るとどれも高額です。今回はマスクの高額転売状況と、いつになったら手に入るのかについて解説します。
目次
新型コロナウイルス感染症でマスク不足に
新型コロナウイルス感染症は飛沫感染や接触感染でうつるとされています。感染者のくしゃみや咳で放出されたウイルスを他者が吸い込んでしまうと感染してしまうため、予防のためマスクの需要が高まりました。
マスクは薬局やドラッグストア、コンビニで気軽に購入できます。感染を予防したい人、感染が拡大している地域に送りたい人などが大量にマスクを買い占め、店頭ではあっという間に品薄状態になってしまいました。新しく入荷しても、開店後30分経たずに売り切れる店もあるほどです。
医療機関でも不足しており、香川県や徳島県などの地方でも依然としてマスクが買えない状況が続いています。
ネットショップではマスクの価格が高騰
マスクはAmazonや楽天市場などのネットショップでも入手できます。しかし、すでに売り切れになったものや在庫があっても価格が高騰しているものばかりです。
Amazonでは通常価格の2~3倍に値段が高騰した商品もあります。なかなか手が出せる価格ではなくなり、マスクを洗って再利用する人、ガーゼなどで手作りする人も増えてきました。
メルカリでマスクが高額転売され話題に!
マスク不足が社会問題となり始めたころ、フリマアプリのメルカリではマスクがたくさん出品されていました。マスクが買えない人にとってはありがたいことですが、その値段があまりにも高く、話題となりました。
一部の例を挙げてみると、100円ショップで税抜き100円で売られているマスクが5個セットで5,000円、1箱598円のマスクが3箱で9,000円ほどで出品されていました。
店頭価格の5倍から10倍ほどの価格で出品されたものが多く、一目で高額転売と分かります。マスクが品薄状態となり、高くても売れると考えた人たちが次々と高額転売をしているようです。
ついにメルカリが注意喚起
メルカリでマスクが高額転売されるようになり、ついに運営側も注意喚起をしました。2月4日にメルカリは公式サイトで「マスクの取引に関するご協力のお願い」という声明を発表し、取引状況によっては入手経路の確認や商品の削除・利用制限を行うことにしたのです。
その後、除菌用ウェットティッシュや除菌用ハンドジェル、消毒用アルコール、その他コロナウイルス感染の予防を謳った商品も規制対象になりました。
困っている人の足元を見た高額転売は、非常に腹立たしい行為です。手元にマスクがたくさんあっても高く売って儲けようとは考えず、マナーを守って適正価格で出品しましょう。
また、高額転売をしていると商品自体が削除されたり、利用制限がかかったりしてメルカリが利用できなくなる恐れがあります。メルカリユーザーのなかには、高額転売を見つけたら事務局に通報している人もいます。ラクマやPayPayフリマなど、ほかのフリマアプリでも高額転売は控えましょう。
オークションには出品自粛要請
経済産業省は高額転売を防ぐため、ネットオークション事業者に対して3月14日以降マスクや消毒剤の出品自粛を求めることにしました。
これを受けて「ヤフオク!」は3月14日からしばらくの間、オークション形式でのマスク出品を禁止することを発表しました。「モバオク!」でも3月14日以降、マスクと消毒液の出品が当分の間できなくなります。
一方、通販サイトやフリマアプリなど電子商取引においては、小ロットでの販売を推進しています。3月14日以降は小ロットのみ販売できるよう販売事業者に要請しているので、メルカリなどの出品ルールも変更になるかもしれません。
参照:https://www.meti.go.jp/covid-19/mask.html
デマでトイレットペーパーも品薄に
薬局やドラッグストアで品薄となり、フリマアプリで高額転売されているのはマスクだけではありません。トイレットペーパーやティッシュペーパーなどの紙製品も高額転売する人が現れました。
これは、SNSなどでトイレットペーパーやティッシュペーパーなどの紙製品が買えなくなるというデマが流れたせいです。「紙製品はマスクと同じ原料で作られている」「中国製だから輸入できなくなる」という誤った情報が流れたことで、薬局やドラッグストアで紙製品を買い占める人が増え、品薄状態となってしまいました。
しかしトイレットペーパーやティッシュペーパーの多くは国内産で、日本家庭紙工業会は「在庫は十分にある」と声明を発表しました。通常通り生産と出荷を行っているので、現在は店頭で品薄状態になっていてもじきに補充されるそうです。
また、マスクとトイレットペーパーの原料はまったく同じというわけでありません。不織布マスクの主原料はポリエステル繊維などですが、トイレットペーパーは6割が国内古紙、4割が北米・南米から輸入したパルプ材でできています。輸入パルプ材は中国などのアジアには依存していないため、今後も紙製品が不足する恐れはありません。
デマによって買い占めたり、高額転売されているものを買ったりしないよう、消費者も賢く判断しましょう。
参照:https://www.jpa.gr.jp/file/release/20200228055745-1.pdf
マスクはいつ手に入る?
マスク不足が問題になってからしばらく経ちますが、いまだ店頭では品薄状態が続いています。とくにこれからは花粉のシーズンなので、花粉症の人は不安でしょう。
マスクは現在、国内メーカーにて24時間体制で生産されています。通常の3倍ほどの増産を続けており、週1億枚供給できる見込みです。マスクの生産設備の導入を行う事業者には補助金が支給されることになり、海外からの輸入量も増やしています。
生産・輸入したマスクは医療機関や高齢者がたくさんいる施設、バスやタクシーなどの公共交通機関などに優先的に供給されます。そのため、残念ながら店頭に一定量が並ぶまでもう少し時間がかかりそうです。
新型コロナウイルス感染症を防ぐには、マスクだけではなく手洗いや手指消毒も重要です。転売目的でのマスクの購入や買いだめは控えて、手洗いや手指消毒をする、除菌スプレーを使用する、人がたくさん集まる密閉空間に行くのを控えるなどして感染を予防しましょう。
参照:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html
まとめ
新型コロナウイルス感染症の影響により、メルカリなどのフリマアプリではマスクが高額転売されるようになりました。しかしメルカリは注意喚起を行い、不適切な出品があれば出品削除や利用制限を行うことを発表しています。高額転売を撲滅することは難しいですが、消費者はデマに惑わされず賢く判断することが大切です。